岡本太郎美術館にオカモトリョウが行く。

このブログを始める前に、川崎市にある岡本太郎美術館に行った。

今、どうしても見ておきたい絵を見るために。

じつは岡本太郎著「自分の中に毒を持て」を読んでいなかったら、

絶対に脱兎は存在しないし、自分はOKAMOTO’Sがデビューする

ずっと前からオカモトリョウだったのだ。

 

やっと、岡本太郎美術館デビュー!

 

ずっと前からオカモトリョウだったわりには今さらな感じもするが、

とにかく新宿から小田急線にのりかえ、向ヶ丘遊園駅の南口に降り立ったのだ。

美術館までは駅から歩いて17分の距離で、ほぼ道なりにまっすぐ行くだけだし、

途中で案内表示が2回出てくることもあり、初めての人でも迷うことはないだろう。

美術館は生田緑地の奥にあり、途中にある広場は平日でありながら家族づれで

にぎわっていて、土・日ともなれば大変な混雑が目にうかぶ。

林のなかの池の横を通りぬけ階段をのぼって、トンネルみたいな入り口をくぐって

いくと、そこが美術館のエントランス。

券売機で入場券を買い、受付で半券を切ってもらって、ようやく岡本太郎美術館デビュー

となったわけだ。

美術館近くの池。
水面に桜が満開の図。

 

本物の「傷ましき腕」の前に立つ。

 

常設展示室に入ると、いきなり目録などで見慣れた原色爆発のどでかい抽象画が

目に飛びこんで気分が高揚する。

ただ、油彩は全部で8点ほどしかなく、ちょっぴり寂しくなる。

(年3回展示物が変わるそうなので、年3回は来なきゃいかんということか)

とにかく、オカモトリョウとしては、いつか本物を見たいと思っていた「傷ましき腕」が

ほんとうに自分を待ち受けるようにそこにあったというだけで救われた。

現在の自分を絵にすれば、この「傷ましき腕」以外にはならない。

空間に突如結ばれた真っ赤なリボン、切り裂かれた腕、力強くにぎりしめたこぶし。

こぶしがにぎりしめている黒いひものようなものは何だろうか?

この細いひものような、得体のしれない糸のようなものを必死にたぐりよせ、

にぎりしめてないと、せっかく結ばれたリボンがほどけそうで、ぎりぎりのところで

耐えている。

今の自分がそうなので、そういう絵にしか見えない。

これをオカモトリョウであり、まえだりょうの原点として掲げるだ。

この先ずっと、このリボンがほどけないように、こぶしをにぎりしめて耐えていくしかない。

展示室には他に彫刻も家具もレリーフも近鉄バファローズの帽子もあったけど、今となっては

「傷ましき腕」の印象が、すべてを凌駕している。

しかし、問題なのは、オカモトリョウなのにまだ「太陽の塔」を見ていないことだ・・・

 

美術館の横に
「母の塔」はあった。
みんな飛び出そうと
してるけど、ぜんぶ
自分に見える。