主演は、どこだ? だれなんだ?

とにかく、キャスティングが決まらないと会場の予約も入れにくいし、

宣伝もしづらい。

主演の部分が空白だとチラシもポスターも発注できないということは、

4月中になんとかしないとまずいということだ。

 

かといって、何のツテもない。

 

脱兎のように、もともと劇団員がいない場合、主に考えられるキャスティングの

方法は2つ。

ネットで募集してワークショップなり、オーディションなりを開催するか、

他の劇団の方に客演を依頼するか。

脱兎の場合、旗上げ公演を7月下旬に予定しているので、今から募集をかけて、

さらにオーディションで選考したあげく該当者なしみたいなことになる時間は

絶対にない。

つまり、スケジュールからしても、他の劇団の方にお願いするしかないわけだ。

 

だから、何のツテもないんだってば。

 

うーむ・・・ここが劇団員がいないつらさではあるが、こういう時は北村明子さんの

「だから演劇は面白い!」を読むにかぎる。

シス・カンパニーの社長で、演劇プロデューサーである北村さんは、この本のなかで

「人脈」について、こう語っている。

 

ビジネス書をひもとくと、「人脈」の大切さをうたうものが少なくありませんが、

私の頭のなかに人脈という言葉はありません。人との関係は大切にしますが、人を

脈というなかに組み込んだことは一回もありません。

私もつながりはたくさんあるし、いろいろな人とのおつきあいはあるけど、人脈という

言葉が内包する「いつ助けてもらわないといけないかもしれないから大切にしておこう」

という発想は好きではありません。「人脈」と言ったとたん、計算が働く感じがします。

(中略)

私は、人脈なんて何もないところから始めました。人を動かしていくのは、つまるところ、

誠意と熱意しかありません。それは、どこの世界でも同じだと思います。

 

ああ、これから何回この本を読むことになるのやら・・・と、ほんとに思う。

 

だから演劇は面白い! (小学館101新書 50)
北村 明子
小学館
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