稽古が順調だと、演出家のやることがあまりなかったりする。

上演時間が70分くらいになったせいか、稽古がサクサク

進むのはいいんだけど、動き方や話し方がある程度固まって

くると演出家のやることがどんどんなくなっていく。

今はパソコンで曲出しを自分でやってるから、なんとなく

何かやっている気配を出しているものの、これをやってなかったら

限りなく置物に近くなっている気がして寂しくなっている。

まあ、だんだん口出ししなきゃいけない箇所が減っていくのは

いいことなので、それはよしとしよう。

主演のお二人の演技は、ラストの伏線になっているような箇所は

同じ動きにしてもらって、それ以外の部分はカッチリこうするように

という指示はしていない。

稽古初期では二人とも同じ動きでやってもらっていたが、稽古を重ねる

うちに自然と個性が明確になってきたので、それを活かして二人の

バージョンが微妙に違って見えるようにすることにした。

それにしても、今回の主演のお二人はなにかと自分で考えて色々動いて

くれるので、自分のやることはさらに減っていくのだった。