ワークショップ・オーディションで参加者様に実際に台本を読んで
もらったことで、小説の体裁を残したままでは朗読劇にならないと
いうことがわかった。
小説の場合は読んでいるときにスカスカ感が出ないようになるべく
ひとつの文章の中に情報量を増やす形で書いているのだが、これが
耳で聞いていると逆にイメージが湧きにくいのだ。
頭が情報を追うだけでいっぱいになり、端的な映像がパッと浮かばない
感じだろうか。
このことを実感できただけでも、ワークショップ・オーディションを
やった意味は大きかったとつくづく思う。
そういうわけで、現在「おおかみ男のフローチャート」はRe-Make/Re-Modelの
真っ只中なのだ。
オーディション時に130枚あった台本は、すでに100枚まで減らした。
小説版にあった引用部分や、情景の描写は限りなく減らし、よりダイレクトな
表現に置き換える。
導入部分はコンパクトにまとめ、おおかみ男が夜行列車に引っ越すことに
なった理由や心情は全体の流れのなかで自然にわかってくるように仕立てる。
ラストに至る伏線になっていない部分はどんどんカットして、全体像を明確
にする。
「モーツァルトの手紙」編についても、恋愛絡みの手紙は大幅カットして、
時代とすれ違ってゆく神童と借金まみれの晩年の手紙が際立つようにする。
基本的にこのような方針で手直しをしているが、全体の流れと核の部分は
変わらない。
あとは全編通しての流れとよどみをどう配分していくか。
一本調子になるのは、最も避けなければならないところだ。
それと、この朗読劇において、演者が正面を向いてまともに「朗読」する
ことはほとんどないと思われますので、お客様には是非、身構えないで
東中野RAFTにお越しいただきたいと思う。
「Re-Make/Re-Model」は1曲目。
グラムロックなのに、感覚がニューウェイヴ。
VIRGI (1999-09-13)
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