演劇を始めるにあたって間接的に影響を受けた演出家や劇作家は
数多くいるけども、もっとも直接的な影響を受けたのが、
サムゴーギャットモンテイプ主宰の山並洋貴氏だった。
出会いは1枚のチラシから。
最初にサムゴーの名前を知ったのは、どこだったか別の団体の公演で
もらったチラシを目にしたときだ。
「ライトワイライトライト」サムゴーギャットモンテイプ。
そのチラシのある部分が、自分にとって非常にインパクトがあった。
~サムゴーギャットモンテイプとは・・・・・・
山並洋貴が主宰・作・演出を担当するひとりぼっち演劇ユニット。
会話劇から英語劇や古典っぽいの、コンテンポラリーダンスらしき
無言劇など、無駄に幅広い作風。チャレンジ精神旺盛。~
ひとりぼっち演劇ユニット。その言葉を見たとき、何か新しいジャンルを
発見したような感動があった。
自分はそのときまで演劇というのは劇団という単位が基本で、そこには
前身や母体があって、まず始めに仲間ありきの、自分とは縁遠い別世界の
ものというイメージが、まだあったのだ。
音楽に例えると、バンドスタイルが当然で、ソロユニットなんて形態は
頭になかった。
演劇のソロユニットか・・・
初めて演劇を身近に感じた。海の向こうと急に地続きになって、地平が
一気に開かれた気がした。
コーネリアスが小山田圭吾であるように、サムゴーは山並洋貴であり、
脱兎,X・Y・Zooは、まえだりょう。
それでよかったのだ。
勇気と行動力があればいい。
大槻ケンヂ氏のエッセイを読んでいると、たびたび「ケラさんの行動力は
すごかった」という話が出てくる。
ケラさんはケラリーノ・サンドロビッチとして劇団「ナイロン100℃」を
つくる前から、劇団健康だったり、有頂天での音楽活動、自主レーベル
「ナゴムレコード」を創設したりと、とにかく思ったことをすぐ行動に移し、
次々に自ら状況をつくり上げてしまう。
自分は、山並さんにケラさんと同じような勇気と行動力を感じた。
見習うべきは、常にこのような人なのだ。
真っ暗な海で、灯台を見つけた気がした。
あっちに港があるぞ。そうやって、脱兎は舵をきったのだ。
明日、また近くまで灯台の灯りを見に行ってくる。
この灯台の灯りが消えないことを願いたい。
分野は違えど、ソロユニットの大先輩コーネリアス。
脱兎もこうなりやす。
ポリスター (1997-09-03)
売り上げランキング: 37,697