6月17日のワークショップ・オーディションに向けて
「おおかみ男のフローチャート」の朗読台本を書きながら、
あらためて、脱兎,X・Y・Zooとは何なのか、考えてみた。
脱兎,X・Y・Zooとは、演劇のD・I・Yを実現する枠組みのことだ。
ようするに、劇的な日曜大工をやりたいわけだ。
日曜日に犬小屋をつくるつもりが、いつのまにか芝居つくっちゃったという
感じの劇的さを求めている。
劇的とは、今あるものだけで今までにないものをつくり出すことだと思う。
気をつけないといけないのは、それをプロフェッショナルとしてやることだ。
ただの日曜大工なら途中でやめてもかまわない。
途中でやめていいのはアマチュアで、プロフェッショナルは何が何でも
最後までやり遂げなければならない責任を負う。
その責任を負わないかぎり、自分で自分に感動することはできないのだ。
自分は言葉だけで設計図を書く。
そして、役者は言葉だけで何かをつくり出す。
その何かを見た人には、ただの犬小屋に見えるかもしれないし、建売住宅に
見えるかもしれないし、ときに豪邸に見えるかもしれない。
全員が同じものを見ているというのに。
ああ恐ろしや。
しかし、このスリリングさもD・I・Yの醍醐味というものだ。
脱兎,X・Y・Zooはイコール脱兎,D・I・Yであり、1度でも公演に足を
運んでくれた方は永遠に脱兎,V・I・Pと呼びたいと思う。
釘もネジ回しも使わずに目に見えないものをつくる。
目に見えないものは、何にでも見えるものだ。
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