乗ったことのない寝台特急の車窓に何を見るか?

「おおかみ男のフローチャート」は、おおかみ男(自称)が架空の

寝台特急フルムーン・エクスプレスに引っ越して勝手に住み着く話だ。

目的地もなく往復切符を買って、切符が買えなくなるまでただ乗っている

だけという、自分にとって憧れの生活のシミュレーションでもある。

フルムーン・エクスプレスのモデルは一応「サンライズ・エクスプレス」

ということになってるけど、とにかく寝台特急に乗ったことがないので、

資料を見てわかるところ以外は想像にすぎない。

 

サンライズに食堂車はないけど、フルムーン・エクスプレスにはある。ヤクルトみたいな色が腸によさそう。

 

内田百閒の「阿房列車」なら、百閒先生と弟子の「ヒマラヤ山系」の会話

もあるし、実際に見た窓外の景色を描写することもできる。

「おおかみ」の場合、作者が実際の景色を見ていない上に、基本は個室寝台

におおかみ男がひとりという設定なので、時間が経つにつれ、どうしたって

妄想過多、ようするに窓外に自分が見たい景色を見るようになってしまう。

そんなわけで、寝台特急に引っ越したおおかみ男が東京駅から出発して、

最初に終点に着くまでを「車窓の世界から編」としておこう。

終点に着くと、フルムーン・エクスプレスは清掃のため一度車庫に入るので、

おおかみ男は降りるしかなく、次の東京行きが出るまでが「9時間ホームレス編」

になる。

この後、東京行きのフルムーン・エクスプレスに乗り込んで「夜の車窓の世界から編」

があって、この辺でようやく「フローチャート編」を挟んでから、いよいよ最終局面

である「モーツァルトの手紙編」に突入することになる。

 

おおかみ男がフルムーン・エクスプレスに乗っている時間が長くなるほど、あらゆる

妄想と連結を繰り返し、ついにはモーツァルトの生涯を乗り換えなしで駆け抜ける

という超個人的な夢の超特急に同乗してくれる方を待ち望んでおりますです。

今は夜行列車というものがどんどん減ってるけど、自分が乗れるようになる日まで

絶対に残しておいてほしいよ。

リニアモーターカーは後でいいから。(速すぎて住めないし)

 

 

リニアモーターカーでは珍道中もままならない。

開発は遅いくせに、速けりゃいいってもんじゃない。

 

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posted with amazlet at 18.06.08
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