今回は脱兎の旗上げ公演の演目となる「おおかみ男のフローチャート」を例に、
自費出版の手順について説明しようと思う。
原稿があれば送るべし、なければ書くべし。
まず、青山ライフ出版に完成原稿のデータを添付したメールを送信して、
正式に応募するところから。
出版社側で原稿のチェック(公序良俗に反していないか等)が完了したら
折り返しメールがきて、見積もり金額等を確認する。
(支払い方法には選択肢があり、自分の場合は2作とも銀行振り込みの
3回払いで決済)
基本的に、出版社に行く必要はない。
見積もり金額や、決済方法を確認してメールを返すと、すぐに青山ライフ出版から
出版契約書類が郵送されてくるので、サインとハンコを押して返送し、これで
正式な契約が完了する。
しばらくすると、青山ライフ出版からゲラ(校正用の試し刷り)の状態で自分の
原稿が送られてくるので、それに赤ペンで誤字、脱字の有無、文章の細かい手直しを
書き入れ、返送用の封筒で送り返す。
(ここから完成まで、担当編集者さんとメールと郵送のやりとりがつづく)
この段階で、デザインイメージがあるなら、早めに出版社側に伝えておいた方が
いいと思う。
自分の場合は、画用紙にデザイン画を描いて、色えんぴつで色も塗り、ゲラといっしょに
返送した。
定価も自分で決める。
カバーのはじっこに載せるプロフィールを自分で書くのは想像していたけど、定価まで
自分で決めるものだとは思ってなかった。
どのくらいにすればいいのかわからないので、自分が高いと思い始める分岐点1,200円
よりちょっと安く1,100円に決定。
デザインイメージを送っておくと、今度はゲラといっしょにカバーデザインの見本も
送られてくるので、ゲラと同じように赤ペンで修正箇所を書き入れて返送する。
そして、ついに修正箇所がなくなると、校了となる。
著者用に3冊もらい、あとはアマゾンで販売。
「おおかみ男のフローチャート」の場合、応募から、出来上がった本の納品まで3ヶ月弱。
他の方がどのくらいかかっているのかわからないけど、原稿が本の形になるまでの期間
としては短いと思う。
最後に「おおかみ男のフローチャート」のカバーに載っている、あらすじを書いておきます。
もちろん、これもプロフィール同様、自分で書いたもの。
「いばらの道はバラ色か?
いい年をして内気な独身者であるおおかみ男は、「ティファニーで朝食を」のホリー
みたいに「いつも旅行中」でありたいと思い、夜行列車の個室寝台に引っ越しする
ことにした。
運賃という名の家賃を払い、切符という名の部屋のカギを手に入れ、今や寝台特急
フルムーン・エクスプレスは自走住居フルムーン・エクスプレス荘となり、車掌は
大家として列車内をうろついた。
幻覚と現実を縫い合わせるように闇夜を加速するフルムーン・エクスプレス荘のなかで、
おおかみ男に忍びよるものは何なのか。
敷金なし、礼金なし、希望なし、予定なし、職業なし、変身なし、妄想ありの
独身列車生活をソフトボイルドに仕立てた偽装自伝的小説。」