これも今さらではあるが、ピクサーの映画「インサイド・ヘッド」を見た。
感情を視覚化するというアイデアがずっと気になりつづけていたのだ。
ストーリーは、こんな感じ。
11才の少女ライリーの頭の中の“5つの感情たち”─ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、
ビビリ、そしてカナシミ。遠い街への引っ越しをきっかけに不安定になったライリーの
心の中で、ヨロコビとカナシミは迷子になってしまう。ライリーはこのまま感情を失い、
心が壊れてしまうのか?
まだ見てない人のために細かい内容には触れないけど、誰にでもある心のなかの
感情の縄張り争いみたいなものをほんとに視覚化して、さらにエンタメとして
成立させられるとは参った。
興味深いのは「感情」たちにも感情があるというところ。
「ヨロコビ」が「カナシミ」の言動にいらいらしたり、「ヨロコビ」が泣く
シーンもあったりする。
ふつう、登場人物の感情の葛藤を描くのがドラマだけど、この映画では「感情」自体に
葛藤させることで二重のドラマ性を生み出しているのだ。
「カナシミ」の扱いが映画の鍵。
映画の中で「カナシミ」は言う。
「あたしなんていない方がいいのよ」
ところがどっこい、細かいエピソードを積み重ねながら、成長のためには
「カナシミ」も必要なんだというところに自然に持っていく脚本の巧さが
心憎いばかり。
最後には「感情」の連携プレーがうまくいくようになり、(ライリーから
すると、感情のコントロールができるようになること)見事に心の成長を
視覚化してしまった製作者の頭の中が見てみたくなるというものだ。
インサイド・ユア・ヘッドは一体どうなってるんだ?
こっちはサイレント・ジェラシーだよ。
もはやジェラシック・パークだよ。
あ、「カナシミ」が来ちゃった。
感情コントロール、「ヨロコビ」カモ~ン!
そんな感じになる映画です。