「朗読劇・おおかみ男のフローチャート」の上演時間が高い確率で
90分を切りそうな気配になってきた。
稽古が始まる前から、いかに上演時間をタイトにするかが最大の
ネックになっていた。
あまり椅子がよくない東中野RAFTで2時間の公演は尾てい骨に
対する完全な拷問である。
今回は最初の公演でもあるし、なんとかお客様の腰がむずむずしない
うちにスパッと終わる演目にしたかった。
オーディションの段階から口に出して読んでもらうとえらく時間が
かかることが判明し、それ以来ひたすら台本のスリム化を図ってきた
のだが、稽古初日でやっぱり予想以上の上演時間になりそうなことが
はっきりした為、小説版を引きずった部分はことごとくカットし、
全編フローチャートの進行で話を進めていくスタイルに変更した。
おおかみ男も小説版から抽象的な意味合いではあったが、舞台版では
はっきり「おおかみ男になりたい男」という位置づけにしてわかりやすくした。
寝台特急のあり方も実際に列車を登場させるのではなく、おおかみ男の
想像上の架空列車ということにして、時間と空間の制約を取っ払った。
これによって、終点に着いてから次の発車までの空白の9時間もいらなくなり、
時短もできるし、全体の流れがすっきりした。
観客側から考えると、とりあえずフローチャートを追っていればなんとなく
わかったような気になれる作品になったと思う。
それにしても、これだけの大幅な変更を3日で出来るとは自分でも思わなかった。
火事場の馬鹿力みたいなものは間違いなくあるのだ。