ウィリアム・スタイグの「ピッツァぼうや」という絵本が好きで、
「おおかみ男のフローチャート」の中にエピソードとして追加しようと
思ったのに、どこを探しても見つからない。
やっぱり実家に置きっぱなしかー。
しかし、あんな地球の裏側までわざわざ取りに行くひまはない。
しかたなく、おぼえている範囲で書いてみたらわりとうまく収まったので、
ほっとしたところだ。
ところで、「ピッツァぼうや」は、こんな話だ。
せっかく遊びに行こうと思ってたのに雨が降ってきて不機嫌なピート。
それを見かねた両親が、ピートをキッチンテーブルに寝かせてピザに
してしまおうというなんともほほえましい話だ。
パパは寝かせたピートをこねたり、引っぱったりして、油や小麦粉やトマトの
かわりに水やベビーパウダーやボードゲームの駒をのせたりしてピザごっこをする。
その結果、ピートは表紙のような顔になるのだ。
さて、おおかみ男の場合、ピートくらいの歳じゃないし、ピートくらいの息子も
いないので、ピザになれるとしたら死んでから焼かれる時くらいしかない。
この場合、ほんとの油を使ってかまわない。
小麦粉もベビーパウダーを使う必要はない。
ただし、わけあって固くなってるので、こねたりしなくていいから。
トッピングに本物のトマトやオニオンを使うのは好ましくない。
死んでまで「もったいないおばけ」に祟られることはないだろう。
トマトのかわりに赤いトランプ、オニオンは白いチェスの駒、チーズは
黄色いジグソーパズルをばらまいてほしい。
涙の塩っ気はいらないから、「あいつの焼き上がりは香ばしかった」くらいは
言われたいものだ。
と、まあ、こんな感じのエピソードを書き足した。
楽しい絵本が若干ダークになった気がするが、独身で、ピザになれるチャンスが
ほかに思いつかないんだからしょうがないじゃないか。
弟はたぶん「バーガーぼうや」だな。