今日は新宿眼科画廊に劇団ORIGINAL COLORの公演「D3」を
観に行ってきた。
劇団ORIGINAL COLORの主宰であり作・演出の小林勇太氏は
「おおかみ男のフローチャート」のスタッフということもあり、
挨拶もしたかったのはもちろんだが、実は前から他の小劇場系の
劇団とは違う雰囲気を感じていたオリカラを見てみたかったのだ。
今回の公演の感想をひと言で言えば、まさに「オリジナルカラー」だった。
自分が今まで出会ってこなかったタイプの芝居で、ひさしぶりに
新鮮な気分を味わった感じだ。
ツイッターにも書いたが、この芝居を観ているあいだ、ずっと
「何にもしないをする」というクマのプーさんの名言のことを考えていた。
たとえば僕が何かをつくろうとするとき、もともと貧乏性のせいか
「いかにいろんなことをするか」というふうに考えてしまいがちなのだ。
これはただ自分の弱さのあらわれであって、何をするにせよ、
「何にもしないをする」ことがいちばん難しいし、心の強さがいる。
「D3」では、その辺の自分の弱さを見せつけられた気がして、
「やられたな」という決して嫌ではないショックを受けた。
演劇作品が、同一空間の写真や立体作品や音響作品と同列の展示物
として扱われているという点も、大いにインスピレーションを
与えてくれた。
全体的に表現すると、「静かなノイズ」あるいは「美しいノイズ」
と言えるものかもしれないが、僕はそもそもそういう二律背反的な
ものが好きなのだ。
ちなみに終演後、小林さんに直接「おおかみ」のチラシを手渡し、
50枚ほど折り込んでもらうことになった。
脱兎のチラシが折り込まれる初めての公演ということもあり、
「D3」は僕にとって記念すべき作品になった。